2011.06.25
難関校をめざす土台づくり
3年生までの家庭での取り組み次第
今年、灘中・甲陽・星光・四天王寺・神戸女などのいわゆる難関校といわれる学校に合格した生徒には共通点があります。どの生徒も精神年齢が高いという点です。当たり前と言えば当たり前ですが、ではどうして精神年齢が高いのか、どうしたら精神年齢が高くなるのか、ということを聞きたくなるところですが、その理由と方法はまた次回にします。今回は「3年生までに何をすべきか」というテーマについてお話しします。
4年生以降はほとんどの生徒がどこかの塾に週に何回も通うわけで、その塾の進度に合わせて勉強を進めていく上では、家庭での取り組ませ方にはそんなに差はありません。ただ、3年生まではというと、各ご家庭の考え方で随分差が付いています。塾に通わせる、通わせないという事も違いますし、奨学社のように高度な内容をする塾に通う、逆に公文のような塾に通う、という点でも差があります。ただ、どこに行かれても通っているから安心ではなく、行ったら行ったで「習った事を自分のものにする」事が重要です。
「算数を制する者が受験を制する」とも言われていますが、早くも1年生レベルで「この子は理系タイプ、文型タイプ」というのが分かります。今の時期から「この子は算数が好きだから」と言って難関校に夢を膨らませていても、なかなか順調にはいきません。そもそも難関校(超難関校)に合格して、その後も順調に進んで、将来国公立の医学部を含む理系の学部に現役で合格する生徒は、幼いころから理系の要素を持った生徒が圧倒的な語彙力と読書量と読解力という土台をもって理系教科(算数・理科)に勉強時間を割くからこそ
目標が達成されるのです。いくらこの時期に計算力があっても文章題になると出来ない、というのは国語力不足です。ですから、低学年のうちは出来るだけ国語に時間をかけるべきです。とはいってもただ単にたくさん本を読む、という事ではありません。漢字を含む多くの語彙を同時に学ばせ、書かせて使うことです。四字熟語やことわざを勉強させてもかまいません。又出来るだけ初めは音読させることです。「ハリーポッター」などの物語文は3年生までに卒業させたいところです。
算数は答えが合っていれば「良くできた」とほめやすいですし分かりやすいですが、国語は指導しにくいものです。子供に漢字を書かせたり、答えが合っているかの確認は出来ますが、それ以上はなかなか難しいものです。それに子供も音読ばかりだと疲れてきますし面倒くさくなります。国語指導は会話をしながら進めていかなければいけません。それだけ手間暇がかかります。でもこの部分を丁寧にやっておけば、後跡の力に必ず表われてきます。何をどれぐらいやればいいのかは「マル秘」にしておきます。
きちっと低学年のうちに土台を作っておけば6年生になっても塾に振り回されなくても済みます。ですから子供もつぶれなくていいですし、算数にも時間が割けるようになります。難関校を目指すのであればもっと先を見て、そして今を考えて下さい。
2011.06.22
勉強しなくなった・・・?
勉強しなくても簡単だから・・・
中学1年生の場合、今の時期はまだまだ勉強内容はそんなに難しくないかもしれません。学校によって進度は違いますが、もともと中1レベルの学習内容は中学受験を経験していれば、「もっと簡単になった」と感じてしまうのでしょう。それをいいことに、勉強しなくなる習慣がつくのが最も怖い事です。現に今年、せっかく苦労して灘中に合格したのに、勉強しなくなったといって、以前の先生に来てもらう生徒が2名もいます。このままほったらかしにしておくと、今年の年末から2年になる頃には、学年でも下位の方になってしまうのは目に見えています。現に今でも真中よりも下になってしまっていますから・・・
内容が簡単であれば、もっと深めるとか、先に進むとか、他の事にチャレンジするとか、そういう姿勢をそろそろ見せていく時期です。小学生時代と違って予習が中心になってきているはずです。であれば、内容を深くしたり、先に進んだりは自分次第のはず。今の段階で内容が簡単だからといって気を抜いているようでは、先が見えています。
反抗期に入って言う事きかない・・・
「宿題したの?」「勉強したの?」「何時に帰ってくるの?」「誰とどこ行くの?」「少しは部屋の片づけぐらいしなさい」「いつまで携帯でしゃべってるの?」と、子供が中1、中2ぐらいになると良く聞く普段の親子の会話ではないでしょうか・・・・
それに対して返事は「うん!」「やった!」「わからん!」「微妙・・・」「うるさい・・・!」「ほっといて!」「わかった!」と単語を並べるような返事しかかえってきません。こういう時期はまさしく反抗期の始まりで、特に男の子は口数が減ります。女の子は友達とのおしゃべりが増えます。誰しもが通る道ですがこれが自立への始まりです。こういう時期は、本当に親は「扱いにくい」「言う事を聞かない」と嘆きますが、ある程度仕方のない事です。特に勉強面においてはゴチャゴチャ言われるのが一番腹の立つ時期です。「なんで俺だけ勉強せなあかんねん・・・!」と一言・・・・
こういう時期にどうやって勉強させるかは永遠の問題ですが、うまくいっているご家庭は言わなくてもやっています。その多くは家庭内で勉強するムードと習慣、環境が出来ているご家庭です。家族全員が何かに取り組んでいる、そういう姿があります。親がそういう姿勢を見せれば子供はその背中を見て感じるものです。子供も勉強しなくてはいけないのは分かっています。ただ、面倒くさいとか、なかなか腰をあげないとか、きっかけがないとか勝手な理由でやらないのです。親としてもストレスがたまると思いますが、ここは自立を応援するという気持ちで親は親なりに自分の時間をもって何かに打ち込んでみてはどうでしょうか・・・
案外子供の側からしゃべりかけてくるかもしれませんよ。
2011.06.20
灘中を目指すには・・・・
最高峰を目指すにはより先を見て
灘中は名実ともに日本一の進学校です。現役で学年の半分が東大や京大に行くわけですし、理系の学部に関しては他の追随を許さない強さです。ですから当然入学後のその先に大学・学部、職業を考えているはずです。というより、考えるべきです。でなければ入学と同時に終わってしまいます。入学後3~4カ月すると勉強しなくなる生徒がいるのは、そういう意識レベルが低いのでしょうね。その先があるからもっとやらなければいけない、その先があるから燃え尽きてはいけない、その先があるからこう育てておかなければいけない、という考え方で取り組んでいかなければ逆に合格も出来ないような気がします。
どう取り組めばいいのか
「算数を制する者が受験を制する」と言われています。これはある意味当っている部分もあります。ただこれは最終的には、という事で「低学年のうちから算数にばかり時間を取りなさい」と言う事では決してありません。
低学年、中学年、高学年とそれぞれ力を入れる教科と内容があります。その順序と内容、やるタイミングを間違えないようにしなければ、最終学年で伸び悩むでしょう。
「塾に任せる」のではなく「塾を利用する」
塾で与えられる課題は膨大な量があります。すべてをこなすのは事実上かなり無理があります。仮にトップ合格出来たとしてもその後伸びるでしょうか・・・?量が多ければ当然じっくり考えるという時間はないはずです。それでは思考力が育ちません。ですから、出来るだけ取捨選択をして時間をかけるものと、そうでない物を分けて取り組む事が必要になります。理想から言うと6年はベーシックの授業をカットできればいいのですが・・・・
灘中に向けて育ててくれる先生に出会えるか
灘中受験を本人の力だけで乗り切れるかというと、ほとんど不可能に近いと言っても過言ではありません。あれだけの難問を時間内に解くというのは、たとえ親が解けたとしてもそれを教え育てるのは無理でしょう。あの領域は専門分野の仕事です。例えば初日対策と2日目の対策ではそれぞれ違います。という事はそれぞれ違う取り組みと育て方が必要です。それが指導できるプロをいかに確保するかが究極的な課題になるでしょう。
本人の意識と親の姿勢
最終的には本人が「絶対に行きたい」という意識がどれだけ強いかが重要なポイントです。そうなると親がどうやってそういう意識を育てるか、になります。これは低学年のうちからの意識付けです。それとともに、育てる方向性がぶれない事です。
具体的な指導内容やその時期については個々にお応えしますので是非お問い合わせ下さい。またプロゲートでは実際に灘中を担当している先生のお話しを聞けるセッティングも出来ますので、是非活用して下さい。
2011.06.11
入試まであと3ヶ月半
実践練習を通して課題を見つける
各学校の説明会がスタートしています。参加人数の多い所と少ない所が顕著に表れているようです。少子化や景気の動向も影響しているのかもしれません。大学付きの学校は人気があるようですが、その他はなかなか人数確保も、厳しい状況もチラホラ聞きます。かといって受験生全員を合格させる事はしません。やはり去年でも何名かは失敗している方がおられるのは事実です。何が原因かはまちまちですが、少なからず子供の基礎学力、行動指示、親の面接対応は安定したものがほしいところです。
そんな中、塾内テストや公開テストなどが各地で実施されています。もうすでに行かれている方も多いとは思いますが、テスト会場に入ってしまうと、親は見られないテストが数多くあり、後に送られてくる結果コメントで出来不出来を判断するしかありません。その結果コメントは比較的あまく評価されているので、実際は不明瞭な点があるはずです。 プリント系は書いたものを後から見ても判断できるので、後から修正、補強しやすいのですが、「指示行動」等においては、単に「集団行動ができない」と書かれていても、どういう状況でどう出来なかったのかが分かりません。塾内テストでは、直接先生に聞けば教えてもらえると思いますが、一般のテストではどうなのでしょうか・・・?
お行儀や指示行動はご家庭での様子からだいたい分かると思います。不安を感じれば、だいたいそれは的中していますから、すぐに対処したほうがいいでしょう。目安としては2回テストを受けて2回とも同じ結果であれば修正、補強しなければいけないでしょう。
特に最近はペーパーテストよりもお行儀面や口頭試問、面接に重きを置いている学校が増えているだけに、あと残すところ3ヶ月半で修正ポイントを見つけてこの夏場には対処して下さい。
最近の塾生の流れ
流れとしては、大手の知名度の高い塾やその学校を得意としている塾に通うというオーソドックスな形が多いのですが、それについていけない、不満がある、もっと一人一人を丁寧に見てほしい、という声もあり、1クラス4~5人ぐらいでやっている少人数制の塾への転塾、初めからそういう塾に通う方も増えてきているようです。確かに他人との競争もある意味必要な部分もありますが、まだまだ幼少時期なので、細かい部分に目が届く方がむしろいい、という考えは正解でしょう。年少や年中でも早生まれ、遅生れで随分差がありますから、通える範囲で熱心な個人塾があればそちらの方がいいのかもしれません。
知名度のある塾にも結構大ざっぱな塾もありますから、その当りの見極めをするためには、合格者数だけに目を向けずに、子供の様子を見て、合っているか合っていないかの判断をして下さい。「挨拶ができない」「お行儀が悪い」などは指導が出来ていない典型です。
2011.06.11
汚い字は書きなおし・・・!
丁寧に書いて丁寧に読む
宿題で出したプリントの字があまりにも踊っていたので、その場で消させて、書きなおしをさせました。本人にとっては屈辱的かもしれません。でも、解答用紙は相手に見てもらうもの、自分だけが読めてもダメ。ましてや入試は△などはありません。日頃塾で△をもらってはいても入試では×です。まずは字を丁寧に書くことから意識を変えていかないと、これ以上の成長はありません。そういう話を本人にもしてから、随分落ち着いて書くようになりました。案の定、今回の公開テストで点数がアップしました。
N講師 国語